イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

DAILY COLUMN

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Wed

5/1

2024

ストレス社会を心穏やかに生きる(115)友、遠方より来る声あり

 私たちは、刻々と目まぐるしく変動する「社会」という荒波の中で、様々な困難や試練に直面しながら、日々多くの仕事に追われています。かつて、「子どもの時間」を生きていた私たちは、いつの間にか「大人の時間」を生きるようになり、子どもの頃に感じた、純粋で色鮮やかな「感動」という「心の奮(ふるえ)」さえも、あまり感じられなくなってしまったような、「心」がどこか濁ってしまったような、そして、何となく色褪せてしまったような、そんな想いに駆られることがあります。
 「生きる」とは、「困難と向き合う」こと。そして、「困難に立ち向かっていく」こと。それは、「自分を知り」、「自分をつくっていく」こと。そして、「自分を忘れていく」ことだと、お釈迦さまは教えられました。
 「大人の時間」を生きられるようになった私たちは、清濁併せ吞み、「苦味(にがみ)」も「旨味(うまみ)」として味わうことができるようになりました。それは、「生きる」上で、一つの「成長の証」だと思います。そして、時に想うのです。「子どもの時間」を生きて"いた"私たちにも、「大人の時間」を生きて"いる"私たちにも、私たち"なり"の「挑戦」があるということを。
 かつて、絵を描くことが好きな少年と、神仏を敬うことが好きな少年がいました。二人は親友で、やがて画家と僧侶になり、今月「二人展」を開催することになりました。私たち"なり"の「挑戦」は続きます。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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