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2025

北上するヒトスジシマカ

 ヒトスジシマカは黒と白の縞模様が入った蚊で、「ヤブ蚊」とも呼ばれます。初夏から晩秋まで、日中の時間帯に活動します。デング熱の媒介蚊としても知られており、ヒトスジシマカがデング熱のウイルスに感染した人の血を吸うと、蚊の体内でウイルスが増殖し、さらに他の人も刺すことで感染が拡大します。2014年には、都内の公園などで蚊に刺された方からデング熱の患者が発生し、160名の患者が報告されました。ヒトスジシマカの幼虫は、植木鉢の水受け皿、発泡スチロールの箱、古タイヤ、墓石の花立て、雨水マスなどに溜まった水などの小さな水域に発生します。蚊は直射日光が苦手なため、木陰や藪など薄暗い場所に潜伏し、人などの吸血源を待ち伏せます。
 ヒトスジシマカは、年間の平均温度が11℃以上という環境条件でないと生きられないことが報告されています。しかし地球温暖化の影響により、国内ではヒトスジシマカの生息域が北上しています。1948年頃の北限は栃木県北部でしたが、その後どんどん北上し、1996年には秋田県本荘市から宮城県古川市、2000年には秋田県能代市から岩手県一関市と東山市、2015年には青森県でも幼虫が確認され、2016年には定着したことが確認されました。近い将来、北海道にも移入する可能性があり、注意深く監視していく必要があります。

参考文献:葛西真治「蚊媒介感染症の最新の状況について」令和5年度動物由来感染症対策研修会
資料 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001164501.pdf

イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力

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