心と体を支え、人と人をつなぐ「食」の力

　皆さんにとって「食」とは何でしょうか。ただ空腹を満たすだけのものになっていませんか。私は、食は単なる栄養補給に留まらず、私たちの心と体を整え、人と人をつなぐ大きな力があると信じています。
　実際、食は交流を生み、社会の活力を支え、人間関係の構築や地域活性化に深く関わっています。たとえば、家族や友人と囲む食卓では、何気ない会話が生まれ、それがストレスを和らげ心の支えとなります。最近では「共食(きょうしょく)」の重要性が見直され、子どもの成長や高齢者の健康維持にも良い影響を与えることがわかっています※ 。また、地域の食文化はその土地の歴史や風土を映し出し、観光資源としての価値を持ちます。ご当地グルメや特産品を活かした町おこしは、多くの地域で成功を収めています。そして何より、食は私たちのパフォーマンスに直結し、栄養バランスの取れた食事は集中力や免疫力を高め、心を安定させ、元気が湧いてきます。企業でも、健康経営の一環として従業員向けに栄養バランスを考えた食事を提供する取組みが増えており、生産性向上の効果が期待されています。
　さて、皆さんは今日、どのような食事をしますか。何を食べるかは、どのような人生を送るかにもつながります。あらためて食の持つ力を意識し、日々の食事をより大切にしていきましょう。

※ 農林水産省「食育の推進に役立つエビデンス(根拠)(1)共食をするとどんないいことがあるの？」https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/togo/html/part4-1.html

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