- 日替わりコラム
Thu
6/19
2025
食品企業のお客様相談室に、食物アレルギーの患者やその家族から「アレルゲンフリー」、「アレルゲン不使用」と表示してほしいという要望が寄せられることがあります。食品選択に苦労する患者のことを考えると、その要望は共感を呼びます。しかし、リスクマネジメントを考える立場に立つと「危険だ!」と言わざるを得ません。
「アレルゲンフリー」と謳われた商品は、特定原材料や特定原材料に準ずるものについてフリーだという信頼性が非常に高いと思います。しかし一方では、食物アレルギーがある人に発症原因についてアンケートをとると「アレルゲンフリーと表示された製品を喫食して発症した」という回答が出てきます。調べてみると、多彩な商品に「アレルゲンフリー」や「不使用」と書かれていましたが、「材料は使われていない、含まれていないとは表現していない」という製造者や「特定原材料は使っていないが、それ以外については考えていなかった」という製造者もありました。
消費者は、企業の考え方やアレルゲン管理の力量についての判断はできません。パッケージに書かれた表現だけを頼りに商品を選択しています。フリーや不使用は患者にとってのあこがれですが、誤認・誤食のきっかけにもなっているのが現状です。
認定NPO法人 アトピッ子地球の子ネットワーク赤城智美
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