欧州で国単位での「脱石炭」相次ぐ

　欧州では、国単位での「脱石炭」(脱・石炭火力発電)が相次いでいます。2024年9月の英国、2025年4月のフィンランドなどに続いて、アイルランドも2025年6月に石炭火力による発電を廃止しました。これにより、石炭火力発電に頼らない国は、EU加盟27か国の中で15か国となりました。
　アイルランドは6月20日、1980年代半ばに操業を開始したマネーポイント火力発電所での石炭の使用を終了し、石炭火力からの脱却を果たしました。現地の報道によると、当初の予定より6か月早い「脱石炭」となりました。
　ドイツに拠点を置くNPO法人は、スペインとイタリア本土も、アイルランドに続き、数か月以内に「脱石炭」を実現すると予測しています。イタリアでは今夏、本土に残る最後の石炭火力発電所2基の閉鎖が予定されています。サルデーニャ島には2基の石炭火力発電所があり、これら発電所は、イタリア本土との海底送電線が完成するまで運転を続ける見込みです。スペインも、2025年中に、現在残っている石炭火力発電所を閉鎖するか、ガス火力発電所への転換を図る予定です。米国のトランプ政権は石炭を含めた化石燃料の利用を推進していますが、欧州では今後いっそう、脱化石燃料が進むと見込まれています。

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