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Thu
10/30
2025
わが国では今後もデジタル化が進むと見込まれており、その推進役としてデジタル庁が設立されました。特定建築物の衛生管理も例外ではなく、デジタル技術の導入が求められています。
特定建築物の衛生管理は、特定建築物維持管理権原者(「特定建築物」の所有者、占有者その他の者で特定建築物の維持管理の権原を有する者)が、建築物衛生法に定められた「建築物環境衛生管理基準」に従って実施しなければなりません。この基準は「空気環境の調整」、「給水・排水の管理」、「清掃」、「ねずみ・昆虫などの防除」など、環境衛生を良好に保つための措置を定め、高い水準の快適な環境を実現することを目的としています。
デジタル化を検討する際、空気や給水・排水の管理は機器を用いた対応が比較的容易とされています。一方で、清掃やねずみ・昆虫の防除は機械化が難しく、課題が山積しています。特に清掃では、高齢化や外国人利用者の増加に対応した標準化やマニュアル整備が求められています。また、ねずみ・昆虫の防除では、人間の管理が及ばない生物の行動に対してデジタル技術をどのように応用するかが課題です。
特定建築物の衛生管理におけるデジタル化の推進を実現するには、多くの困難を乗り越える必要があります。
引用文献: 厚労科研費「デジタル技術を活用した建築物環境衛生管理基準の達成等に向けた検証研究」(略)
イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力
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