イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

DAILY COLUMN

- 日替わりコラム

Mon

1/5

2026

岐路に立つ食(2)安全保障と自由貿易

 日本の食料自給率が4割に満たないことは、よく知られています。それでも、これまでそれほど大きな危機が生じなかった理由の一つは、主食のコメがほぼ100%国内で自給できていたからです。
 コロナ禍で小麦や大豆などの輸入農産物価格が上昇した時期でも、コメの価格は低いままでした。これは多くの国民が安価に主食を調達できていた証です。ところが、「令和のコメ騒動」と呼ばれる事態が起き、人々のコメに対する認識が変わりつつあります。消費者の多くは、未来永劫「安いコメ」が食べられると思っていたのに、生産・流通を含むコメをめぐる環境が激変したからです。
 「足りなければ買えばよい」「国内になければ輸入すればよい」という考え方がうまく機能するためには、世界が平穏であり、海外の生産地にも十分な輸出余力があり、その上で貿易に何の障害もないことが大前提です。そうでなければ遠隔地から「モノ」は届きません。
 ここで私たちは重要な判断を迫られています。安全保障としての「食」と自由貿易としての「食」、どちらを重視するかという問題です。うまく折り合いをつけるのが理想ですが、気候変動や地政学的リスクを踏まえ、持続可能な食料生産という観点から、コメと食全体について改めて考えてみる必要がありそうです。

宮城大学 副学長 食産業学群 教授三石誠司

全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています

戻る

ACCESS

- アクセス

事業所

〒275-0024
千葉県習志野市茜浜1-12-3
ライフ・クリエーション・スクエア内BMSA・環文研共同研究棟1階

Google Map

本部

〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-11
アグリスクエア新宿11階

Google Map
お問い合わせはこちら トップへ