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2026

人生永遠のテーマを追った作家 向田邦子(29)テレビドラマの茶の間

 『寺内貫太郎一家』を代表とする向田邦子ドラマの茶の間は、「狭くて汚い」が定番となっていました。間取りは4畳半そこそこで、すすぼけた畳に塗りの良くない食卓が一つ。そして電話台に一輪挿し。ちょっと殺風景感もありますが、この空間に小林亜星さんや西城秀樹さんが入り乱れると、お馴染みの「貫太郎一家の茶の間」になります。
 『七人の孫』『きんきらきん』『時間ですよ』『だいこんの花』とホームドラマを作っていく中で、茶の間は、申し合わせたように小汚い日本式の畳の部屋にすることに努めてきたともいえます。もしかすると、放送当時に市井(しせい)の人たちが夢見ていたマイホームは「赤い屋根と青い芝生の白い家で、暖炉があり、ロッキング・チェアに座ってレースを編んでいる」というような風景だったかもしれません。しかしこの空間では、CMじみて切実感がなく、絵空事に思えます。ゆえに向田邦子ドラマでは畳の部屋にして素敵な家具は入れず、モダンさを極力なくしてセットが組まれます。
 向田邦子ドラマは、夢見るマイホームの中で役者が動くのではなく、日本人の心に沁み込んでいる伝統的な建築様式や、すすぼけた居住空間の中に「安らぎ」を求めることを大切にしています。汚くて狭い茶の間は気楽で、人生の休息時に最もふさわしいのではないでしょうか。

写真技術研究所別所就治

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