- 日替わりコラム
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2/23
2026
「この書類は早めに提出してください」「少人数しか受け入れられません」「検査の前の食事は少なめにしてください」……これらの言い方には、共通した問題があります。意味が曖昧で、人によって受け止め方の異なる表現が含まれているのです。
「早めに」「少人数」「少なめ」など、時期や程度、数や量に関わる言葉は、ついつい曖昧になりがちです。お互いのために、できる限り具体的な数字や情報を示すとよいでしょう。「今週金曜日の正午までに」「できれば3名まで、最大でも4名」「だいたい700kcalまでを目安に」などとすれば解釈に迷うことはありません。
また、「~から~まで」のように、期間や区間を表す場合にも、起点と終点をはっきり示すことが大切です。「本日から春休みまで」といった場合、「春休み」のうちのどこが終点かがわかりません。「春休み開始まで」「最終日まで」などとする必要があります。
こうした曖昧な表現は、時に人間関係を損なうまいという気持ちに基づく場合があります。締切を「金曜日の正午」とはっきり言うと、何か偉そうな、強制的な感じがするのではないか、そんな思いから「早めに」とぼやかすのです。相手への配慮は大切ですが、余計なトラブルを避けるためにも、必要な情報は遠慮なく明快に伝えましょう。
文化庁国語課 主任国語調査官武田康宏
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