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Wed

4/15

2026

割愛

 「最後の3ページは割愛します」などと使われる「割愛」。あなたは、「割愛」された「最後の3ページ」を惜しく思うでしょうか。それとも、大した内容がないから省略されたのだろうと考えますか。
 辞書で「割愛」を引いてみましょう。『日本国語大辞典』(小学館)には「惜しいと思いながらも省略したり捨てたりすること」とあります。本来の「割愛」は単なる「省略」ではありません。本来なら省略すべきでない大切な事柄を、時間の関係など諸事情によって、仕方なくあきらめるような場合に使うのです。たとえば「いつまでも見ている暇がなかったから、そこまでで残念ながら割愛して帰って来たのであった。(寺田寅彦『空想日録』)」といった使い方が本来のものです。
 しかし、辞書どおりに使っておけば安心だ、というものでもありません。文化庁が行った調査によると「割愛」の意味を「惜しいと思うものを手放す」と考えるのは4人に1人程度で、7割に近い人が「不必要なものを切り捨てる」という意味であると回答しています。
 たとえば部下の優れた提案をどうしても取り入れられないときに、「惜しい」という気持ちを込めて「君の提案は割愛した」と言っても、思いが伝わるとは限りません。言葉は変化していくものです。本来の意味以上に、相手がどのように受け止めるのかを優先して考えるべきでしょう。

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