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5/19

2026

人生永遠のテーマを追った作家 向田邦子(32)『時間ですよ』(1)

 テレビが時代の長者になりつつあった時期、TBSの水曜劇場では画期的なドラマが放送されました。『時間ですよ※ 』です。50歳以上の世代であれば、「おかみさーん、時間ですよ!」と誰かが言うと、このドラマを思い出す人が多いと思います。この台詞が出るとアバンタイトルが始まるフォーマットのドラマでした。
 向田さんはこのドラマの第2シリーズ第5話から脚本に参加しています。もともと、昭和40年に東芝日曜劇場で放送されましたが、人情ドラマとして好評を博したため、連続ドラマ化された経緯があります。その時の脚本は橋田壽賀子(はしだすがこ)さん。第1シリーズでも第3話まで参加していたのですが、演出の久世光彦(くぜてるひこ)さんがドラマと関連のないアドリブを入れるために、思った通りの話が書けなくなり、途中で降板しています。以後、この二人が一緒に仕事をすることはありませんでした。
 物語の舞台は東京・五反田にある公衆浴場「松の湯」で、人情の機微を描いたホームドラマです。向田さんが『寺内貫太郎一家』の脚本を書く上で基礎となった作品ともいえます。寺内貫太郎一家のように、明暗の二律背反による進行はないのですが、伝統ある銭湯を守る存在と、時代の変化に多様性を見出そうとする若い世代の葛藤がよく描かれたドラマでした。以後数回にわたってこの作品を取り上げていきます。

※ 第1シリーズ(全30回)1970年。以後1990年まで7シリーズ、4スペシャル、単発1本が放送されている

写真技術研究所別所就治

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