- 日替わりコラム
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6/29
2026
魚は感情や思考をあまり持たず、明確な表情や声もない生きものと思われがちです。しかし生態が解明され、その見方は見直されつつあります。たとえば、産卵時に雄が雌の安全を確保したり、異なる種類の魚同士で意思疎通を図り、協力して狩りを行ったりする例も報告されています。こうした生態からは、魚が単なる本能だけでなく、状況に応じて判断し行動している可能性がうかがえます。
2025年12月号で、少年とボール遊びを通じて親しくなり、水面でハイタッチをするようになったタコの例を掲載しました。そしてタコの中には、飼育員が近づくと水槽の縁から顔を出し、水を吹きかけるものがいるそうです。私たちの感覚だと嫌がらせをしているようにも感じてしまいますが、人間に水をかけたときの嫌がるしぐさが面白いことを発見・学習し、繰り返しているのではないでしょうか。もし本当に嫌がらせをしたいのであれば、墨をかけるはずだと思うのです。さらに、水族館の改装により来館者の来ない水槽へ移されたマンボウが、急に体調を崩したという事例もあります。その後、水槽の外に来館者の写真を貼ったところ回復したとされ、人との関わりが影響していた可能性が指摘されています。こうした行動は、単なる偶然ではなく、相手との関係性を認識していることを示唆しています。
参考文献:
『カラー版 水族館のひみつ——海洋生物学者が教える水族館のきらめき』泉貴人著 中公新書ラクレ(2025)
古田優
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