- 日替わりコラム
Wed
7/1
2026
近年、少子高齢化が急速に進み、「超高齢社会」と呼ばれる現代社会が抱える問題は、どのような分野の世界でも、今、そして、これからの未来を生きる人々にとって、重要な命題が課せられています。日本全国に15万以上もの軒数がある神社仏閣も、決して例外ではありません。
かつての『家(いえ)』には、「仏間(ぶつま)」という、仏様やご先祖様をお祀りする部屋があり、むしろ、仏間を中心に家屋(かおく)全体の設計がなされ、家が建てられました。家族が団欒(だんらん)する「居間(いま)」には神棚が祀られ、神様や仏様に囲まれて、私たちの日々の生活(くらし)が営まれていたのです。
近年は、『家』と言うよりも、『家族』のあり方が変わってきたことにより、神様や仏様を身近に感じられる「空間」や「時間」がなくなってきてしまったということが、現代世相の現れなのだと思います。
だからこそ、神社仏閣という特別な「空間」や、そこで営まれている宗教儀礼の中に流れる特別な「時間」を、大切に守り続けていくということが、私たち宗教者に与えられた使命とお役目だと思っております。
そして、特別な「空間」や「時間」は、実は、毎日当たり前のように繰り返される「おはよう」、「いただきます」、「ごちそうさま」、「いってきます」、「いってらっしゃい」、「ただいま」、「おかえり」、「おやすみ」、「ありがとう」といった『心』の拠所そのものなのだと思うのです。
合掌
下野国 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多
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