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2026
内閣官房・金融庁・経済産業省は2026年3月、「人的資本可視化指針(改訂版)」を公表しました。今回の改訂で強く打ち出したのは、「経営戦略と人材戦略の連動」をより実質的に求めるという視点です。つまり、人的資本※1 を単なる開示項目としてではなく、持続的な企業価値創造の中核としてどう語るかが、これまで以上に問われます。
脱炭素やデジタル化といった構造変化に対応するためには、新たなスキルや組織能力が不可欠であり、その実現は人的資本に依存しています。しかし現実には、多くの企業において人件費は固定費として捉えられ、短期的な利益確保の観点から抑制・先送りにされがちでした。その結果、日本企業の人的資本投資は、米欧と比較して低水準にとどまりました。日本企業は、人的資本の潜在力を十分に引き出せていない可能性があります。今こそ、経営戦略の実現に向けて人的資本への投資を促進し、その進み具合を見える化することが急務です。
今回の改訂指針では、人的資本について「何を開示するか(指標)」ではなく、「どのように語るか(ストーリー)」という視点を重視しました。その結果として、どのように企業価値の向上につながるのかを、投資家などステークホルダー※2 に対し、一貫したストーリーとして論理的に説明することが求められます。
※1 人材が教育や研修、日々の仕事を通じて能力や経験、意欲を高め、それを積み重ねることで、新たな価値を生み出す存在であるという考え方。
人材を単なる「労働力」ではなく、企業の価値創造を支える「資本」として捉える表現
※2 企業や組織の活動に対し、直接的・間接的に影響を受けたり影響を与えたりする人や団体のこと
『オルタナ』創刊編集長森 摂
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