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2026

三浦半島の自然と歴史(51)ミツクリザメ

 板鰓(ばんさい)亜綱(あこう)・ネズミザメ目・ミツクリザメ科に属するミツクリザメは、水深300~1000mに生息する深海性のサメで、三浦半島の相模湾にも生息します。完全に成長すると体長5mに達すると考えられていますが※1 、現在確認できる最大個体は2023年6月、台湾・宜蘭(ぎらん)県沖の水深800mで捕獲された全長4.5mの雌とされています※2 。英語名「Goblin Shark(悪魔のサメ)」は、その異様な顔つきに由来します。普段は口を吻の下にしまっていますが、獲物を見つけると顎を前方へ勢いよく突き出し、鋭い歯で一気に捕らえます。白亜紀に生息したスカパノリンクスの特徴を残していることから、「生きた化石」とも呼ばれています。
 ミツクリザメの名前は、相模湾で捕獲された標本をイギリスの貿易商アラン・オーストンが東京大学三崎臨海実験所に寄贈し、所長の箕作(みつくり)佳吉が1898年に魚類学者デイビッド・スター・ジョーダンへ示したことで、新種「Mitsukurina owstoni」と命名されたことに由来します※3 。属名は箕作、種小名はオーストンの名を採ったものです。まさか人名が名前の由来になっているとは意外です。
 また、静岡県焼津沖で漁獲された全長2.2mの雄を使った研究では、顎を秒速3.14mで前方へ突出させて獲物を捕らえることが確認されました。この突出速度は、魚類の中で最速とされています※4 。

※1 沖縄美ら海水族館HP
※2 クーリエ・ジャポン https://courrier.jp/news/archives/330230/※3 宍戸一郎 動物学雑誌、第10巻第117号、223p 1898年
※4 ミツクリザメの摂食行動の謎解明 沖縄美ら島財団総合研究所 2016年

NPO法人 バイオメディカルサイエンス研究会 常任理事前川秀彰

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