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10/6
2026
ワープロのアプリに「自由に御利用できます」と入力すると、《敬語の誤り》だと教えてくれました。どういうことでしょうか。
「御(お)○○する」という言い方は、相手を立てるために自分側の行為について使う謙譲語の形です。たとえば「御案内する」「お連れする」や、これらに可能の意味を加えた「御案内(お連れ)できる」も謙譲の言い方です。一方、相手の行為を立てる尊敬語の形は「御(お)○○になる」で、「御案内になる」「お連れになる」と使います。「できる」の意味を加えると「御案内(お連れ)になれる」となり、「御利用できます」は「御利用になれます」とするのが本来の言い方です。
ところがウェブを見ると、国の官庁や地方自治体、図書館などの公共施設、さまざまな有名企業などが、当然のように「…は自由に御利用できます」と書いています。簡単に《誤り》と片付けてよいのでしょうか。
ここには、この語なりの事情があります。「利用する」は、「御利用する」としても謙譲語になりません。「案内する」などと違い、相手がいなくても成立する行為なので、謙譲・尊敬の典型的な型にはまらないのです。また、「御利用ができます」とすれば文法的な問題がなくなります。「御利用できます」は「が」を省略した形なのだという見方もあるでしょう。《誤り》の向こうに言葉の奥深さを見る気がしませんか。
文化庁国語課 主任国語調査官武田康宏
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