- 日替わりコラム
Thu
10/15
2026
昨今、不動産価格や物価の上昇により賃貸管理コストが増大し、賃貸人や管理会社から賃料の増額を求められることが増えています。
借地借家法第32条では、契約時に定めた家賃がその後の経済的・社会的情勢などの変化によって客観的に不相当となった場合には、当事者をその条件で拘束し続けるのは妥当ではないことから、賃貸人に賃料増額請求権、賃借人には賃料減額請求権を認めています。賃料の不相当性は、不動産に対する公租公課の増減、不動産価格の増減、経済事情の変動、近傍同種の建物の家賃との比較、賃料額決定の要素とした事情などから総合的に判断し、増減の可否およびその額が決められます。
管理会社などから提示される「賃料増額のお願い」などは正式な賃料増額請求とはいえない場合が多く、賃貸人側からの増額要請をそのまま受け入れる必要はありません。賃料増額(減額)請求権は、相手方への意思表示により(通常、内容証明郵便で送付)、将来に向けて適正な額に賃料を変更する効果があります。賃料増額請求に対し、当事者間で金額について争いが生じた場合には、調停または裁判で決定されますが、変更を申し入れる側はまずは調停を申し立てる必要があります。調停で適正な賃料が決まった場合には、原則として増減額の意思表示がされたときから賃料額が改定されます。
アジアンタム法律事務所 弁護士高橋辰三
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