イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Wed

10/21

2026

ジビエとしてのクマ肉活用

 クマを有効に利用する手段の一つとして、クマ肉を食べるという方法があります。ただし加熱調理は必須で、生肉(乾燥肉を含む)や加熱不十分な肉を食べたことによる集団食中毒の事例が数多く知られています。
 野生鳥獣の肉はジビエとして珍重されますが、旋毛虫(トリヒナ)という線虫が寄生していることがあります。成虫は小腸に寄生し、生まれた幼虫は全身の筋肉へ侵入します。感染した場合は症状が段階的に現れ、一般的な食中毒とは異なる特徴を示します。経過や感染数によりますが、成虫が寄生する段階では腹痛・下痢・発熱がみられ、幼虫が筋肉に侵入する段階になるとこの寄生虫特有の眼瞼(がんけん)浮腫(ふしゅ)(まぶたやその周囲の腫れ)や筋肉痛が現れます。時に嚥下困難、呼吸困難、脳炎、心筋炎を起こして重篤化し、全身浮腫、貧血、肺炎、心不全などで死に至ることもあります。
 感染予防のためには、クマ肉を生で食べないこと、加熱する際は中心部が75℃・1分以上になるよう調理することが重要です。冷凍や乾燥では、この寄生虫は死滅しない点も、理解しておく必要があります。
 野生鳥獣の肉は、今後も衛生的な取り扱いのもとでジビエとして活かしていくことが、この世に生を受けた動物への供養につながる——筆者はそう考えています。

イカリ消毒株式会社 名誉技術顧問谷川力

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