イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

DAILY COLUMN

- 日替わりコラム

Thu

5/1

2025

ストレス社会を心穏やかに生きる(127)龍興寺の祈り(2)

 先月号では、毎年1月3日に龍興寺で厳修(ごんしゅう)申し上げている新春大護摩供(しんしゅんおおごまく)について、今年は特に、昨年1月1日に発生した石川県能登半島地震によって被災された方々の「平穏復興」を祈念するため、石川県の浅野太鼓楽器店さんに制作を依頼した特大太鼓の奏でる一音一音に、その願いをこめさせていただきましたことをお伝えいたしました。
 その太鼓は、直径1メートルを超え、重さ250キロに及ぶ新作日本一を誇る特大太鼓で、胴の大きさと、木目が龍の鱗に見えることから、龍興寺住職によって「龍胴太鼓(りゅうどうだいこ)」と名付けられ、約400名の檀信徒の皆様に見守られる中、プロ和太鼓奏者として活躍されている壱太郎(いちたろう)さんによる演奏奉納と、10名の僧侶による読経、太鼓、法螺、錫杖の音色が響き渡る中、2メートル以上も高らかに舞い上がった護摩火炎からは、まさに「火炎龍王(かえんりゅうおう)」が出現し、2000体を超える護摩札を加持して、生きとし生けるすべての皆様の「心願成就(しんがんじょうじゅ)」をご祈念申し上げました。
 龍興寺では、毎日、多くの祈りを捧げておりますが、震災などの自然の驚異を目の当たりにいたしますと、天地陰陽の動きは遥かに大きく、それに比べて私たち人間の祈りは、とても小さく、微々たるものに感じられます。しかし、日々の小さき祈りの積み重ねと、その継続こそが、「本当の幸せ」を築く大きな力となりますことを信じております。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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