- 日替わりコラム
Tue
9/16
2025
たとえば「人前で話すこと」「資料をつくること」。”やろうと思えば“できることは多いです。実際にやったこともあります。でも今は、それをやる気力が湧きません。そんなとき「できるのにやらない自分」を責めてしまう——そんなことはないでしょうか。
実は、「できる」には2種類あります。1つは「能力的に可能」かどうか。もう1つは、「状況として可能」かどうかです。誰かに頼れるか、余裕があるか。そうした「状況」が整わなければ、たとえ能力があっても「できない」ことのほうが世の中には多いです。にもかかわらず、現代社会には「できない」と言いにくい空気があります。頑張れることが当たり前であるかのように評価され、立ち止まることが「サボり」と見なされてしまう。自立というのがなんでも一人でできること、という前提になっているのです。しかし、本来の自立とは「なんでも一人でできること」ではなく、「できない」と言える相手が複数いること。そして、自分もまた誰かの「できない」を受け止める相手になっていることです※ 。
”できるけど、いまはやらない“は、立派な選択です。むしろそれをほかの誰かに任せることは、その人の「できる」を伸ばすきっかけにもなります。「できない」を言い合える関係性から、安心できる自立は始まるのではないでしょうか。
※ https://www.tokyo-jinken.or.jp/site/tokyojinken/tj-56-interview.html
ILFY 代表コーチ内藤響
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