Kanbunken 環境文化創造研究所

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2021

クロオオアリの繁殖と子育て

 クロオオアリは、5月頃に一斉に結婚飛行をします。地面に降りて、うろうろ歩いている体長2cmほどの大型アリを見かけたことがある方も多いと思います。それは女王アリで、寿命は10~20年です。巣を作ると入り口を閉じます。2か月くらいすると働きアリが巣から出てきて食料の調達を始め、女王アリと巣内の幼虫を育てます。女王アリは、初めの働きアリのグループが育つまで何も食べずに体内の養分を幼虫に与えるので、子育ての間に女王の体重は30%減ってしまいます。
 結婚飛行を済ませたメスを1頭ずつ容器に入れて水分だけを与えると、平均16個の卵を産み、そのうち6頭の働きアリが育ちました。また、実験的に別のメスで、産んだ卵を10個除いたところ、そのメスはさらに11個(合計21個)の卵を産んだのですが、育ったアリは3頭でした。卵をたくさん産んだので、子育てのための体力がなくなってしまったようです。一方、その10個の卵を別のメスの巣(容器)に移したところ、そのメスは、自分では10個しか卵を産みませんでした。しかし、たくさんの幼虫が孵化(ふか)したので、女王アリは体力を消耗して、育ったアリは結局5頭でした。
 女王アリは確実に働きアリを育てるために、真っ暗な巣の中でも卵の数を把握して、産卵数をある程度調節できるようです。

参考文献: Liu, Z, Yamane, S., Kojima, J., Wang, Q., Tanaka, S. 2001. Journal of Ethology 19:87―91.

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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