Kanbunken 環境文化創造研究所

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2020

マメハンミョウの奇妙な変態と季節適応

 昆虫には、カブトムシのように卵―幼虫―蛹―成虫になる完全変態と、トンボのように蛹を経ずに卵―幼虫―成虫になる不完全変態があります。マメハンミョウはカブトムシの仲間ですが、過変態といって、幼虫の間に擬蛹(ぎよう)という休眠ステージをもつ変わった虫です。
 マメハンミョウの成虫は植物の葉を食べます。幼虫は、バッタ類の卵を食べる捕食者です。マメハンミョウの成虫は夏に卵を産み、孵化した幼虫はバッタの卵鞘(らんしょう)を見つけて中の卵を食べます。夏に育った幼虫は4回脱皮すると擬蛹(5齢)になり、休眠状態で越冬します。翌年の初夏に、擬蛹からは6齢幼虫が現れます。この幼虫は何も食べずに7月頃に蛹になり、しばらくすると成虫になります。
 マメハンミョウの幼虫は、ときには小さなイナゴの卵鞘で育つこともあります。2齢以降は移動に不向きな体型になるので、卵鞘が小さいと餌不足になります。たどりついた卵鞘が小さいと、十分な栄養がとれないために休眠の準備ができません。すると幼虫は擬蛹にならず小さな蛹になり、秋に成虫になって卵を産みます。孵化幼虫は、冬前に擬蛹となり越冬します。素早く成虫となり秋に繁殖すれば、次世代が大きな卵鞘で育つチャンスが生まれます。不安定な餌の量に対する適応なのかもしれません。昆虫の柔軟性には、目を見張るものがあります。

参考文献: Shintani, Y., Terao, M., Tanaka, S.( 2019) Journal of Insect physiology 99: 107―112.

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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