Kanbunken 環境文化創造研究所

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Wed

12/16

2020

目黒寄生虫館に展示されている寄生虫(14)広東住血線虫

 一昨年、8年前のパーティーでふざけてナメクジを食べたオーストラリアの男性が、長い闘病の末に亡くなった、というニュースが話題になりました。この原因は、広東(かんとん)住血線虫という寄生虫でした。
 この線虫の成虫は、ドブネズミやクマネズミの肺動脈の中に寄生します。メスの体には、血液が充満した赤黒い腸管と、卵が充満した白い子宮が絡み合った特徴的ならせん模様が見られます。
 ナメクジやカタツムリなどに寄生した幼虫がネズミ類に食べられると、幼虫は脳を経由して、肺動脈で成虫になります。生野菜に付いたナメクジを誤って食べるなどして人間が感染した場合には、幼虫は脳に留まって髄膜脳炎を起こし、激しい頭痛、発熱、運動失調などを発症することがあります。
 日本では1969年以降、75症例(死亡1例)の報告があり、約7割は沖縄の症例です。しかし宿主動物の調査では、この線虫は北海道から沖縄まで広く検出されています。最近の目黒寄生虫館の調査でも、都内のドブネズミから成虫が検出されました。ハワイでは最近5年間に、旅行者を含めて年に6~19人の患者が発生して問題になっています。ナメクジやカタツムリを触った後は手をよく洗う、生野菜にナメクジなどが付いていないか気をつける、などの心がけが大切です。

公益財団法人 目黒寄生虫館 研究室長巖城隆

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