- 日替わりコラム
Tue
1/26
2021
人間にとって快適な空間である戸建住宅は、ネズミにとっても快適な空間といえます。住宅内は温湿度が快適に保たれて外敵からも守られていますが、住人の中にはネズミに食物を盗まれている人もいます。東京都池袋保健所の矢口昇氏によると、ある高齢者は寂しさのためネズミに餌を与え、同居しているそうです。
超高齢社会の現在は、ネズミに占拠されている住宅が深刻な社会問題となっています。高齢者の家には次のような特徴があり、いくつかの類似した点が目につきます。
(1)高齢者は動線が小さく、居間での滞在時間が長いのですが、そのほかの部屋にあまり行かないため、ネズミの住処になりやすくなってしまいます。
(2)「もったいない」世代で、それ自体は悪いことではありませんが、ものを大切にするあまり捨てられず、押入れに入れたままの保存食(素麺など)がネズミの餌となります。
(3)仏壇の供えものや花がネズミの餌となります。
(4)古い木造住宅ではネズミの侵入経路が多く見つかります。
(5)すべてが当てはまるわけではありませんが、殺鼠剤や粘着トラップを何度配置してもネズミが減らないことがあります。
いずれにしても、ネズミはこのような住みやすい家を狙っているため、注意が必要です。
イカリ消毒株式会社 取締役・一般財団法人 環境文化創造研究所 理事谷川力
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