Kanbunken 環境文化創造研究所

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Thu

2/11

2021

若き開発者への手紙(2)自分の存在の証を残そう

 「何か事を成すにあたり、自分がそこに存在し、関わった証(あかし)を残したい」。これは、人間が持つ基本的な願望のひとつだと思います。マズローの欲求段階説※ でいえば、承認欲求からさらに上位の自己実現欲求にあたるのかもしれません。
 新製品の企画・開発に関わるなかで、しっかりとしたマーケティング調査のもとに企画されたものを、その通りに作ってヒットする場合もあります。しかし、私は「私が関わらなければ、この商品はこうはならなかった」ということに拘(こだわ)ってきました。当然、生じる結果に対する責任はすべて自分で負う覚悟が必要です。「自分が関わった証への拘りと、それに伴う全責任を負う覚悟」、これが企画・開発者としての私の矜持(きょうじ)です。
 私は、自分が作った商品が店頭で販売され、誰に対しても「この商品は私が作りました」と言えることに喜びを感じます。自分の子や孫に「これは私が作ったのだよ」と言えることこそが、開発者としての最高の勲章なのではないでしょうか。
 開発者なら誰がやっても同じものができたであろう商品よりも、「自分が関わったからこそ、こんな商品が誕生したのだ」と言える、そんな拘りと責任を持った仕事をしていただきたいです。

※ アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5 段階の階層(生理的欲求・安全欲求・社会的欲求・承認欲求・自己実現欲求)で理論化したもの

商品開発アドバイザーH・B 山越

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