イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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Tue

3/2

2021

展覧会に出かけると(9)ひなまつり、人形に願いを託して

 3月3日は桃の節句、女の子の健やかな成長と幸せを祈る「ひなまつり」の日です。緋色の毛氈(もうせん)にひな人形を飾り、桃の花を供えて祝う、旧暦のこの日のまつりがいつ頃から始まったのか、確かにはわかりませんが、少なくとも江戸時代には年中行事として広く行われていたといわれます。
 全国各地の伝統的なひなまつり行事は、例年、2月初めの立春過ぎから開催され、彩り華やかな街並みは大勢の人々で賑わいます。昨年に続き今年もまた、新型コロナウイルス感染症の影響で大規模なひなまつり行事の多くが中止となり、ひな巡りの楽しみも来年に持ち越されました。
 この時期には各地の美術館や博物館でも、ひなまつりにちなんだ展覧会が催されています。お近くの館で、静かな節句はいかがでしょうか。時代を経た旧家ゆかりのお人形やお道具は、観る人にこころ穏やかな時をもたらすと同時に、ひな人形に込められた願いや歴史に出会う場ともなるでしょう。今年は、ひな人形に加え、新型コロナ収束の願いを託し「疫病除け」の人形を紹介する館もあります。江戸時代以前、人形は疫病から人々を守る力があるとも考えられていたからです。
 今年は、8番目の孫の初節句に、彼女や同世代の子どもたちの健やかな成長を望む気持ちがこれまでの7人の孫の時とは比べようもなく強いことに気づき、人形に願いを託してきた歴史に想いを馳せています。

放送大学 客員教授・九州国立博物館 名誉館員・一般財団法人 環境文化創造研究所 顧問本田光子

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