Kanbunken 環境文化創造研究所

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Tue

4/6

2021

展覧会に出かけると(10)美術館・博物館の風除室

 春の強い風の日、美術館・博物館に到着し風除室に入るとホッとします。埃(ほこり)っぽい強風から逃れ、穏やかな空気感へ一歩近づいた気がします。
 風除室は美術館・博物館にとって重要な設備です。館内に風が直接入ることを防ぎ、温湿度変化や黄砂・花粉そのほか風に運ばれる塵埃(じんあい)など空気汚染物質流入の影響を低減する緩衝空間です。建物の出入り口の外側に小室を配し、その開口部から離れた位置に外との出入り口を設けます。外から最初の扉を開けて人が入ると風も一緒に入りますが、建物本体の扉が閉じていれば風はとまります。最初の扉を閉めた後に建物本体の扉を開けるようにすれば、外気の館内流入を低減できるでしょう。
 空調設備が整った建物であれば、空調効率を上げるためにも風除室は必ず配置されています。また、建物内の気圧が陽圧※ で維持されていれば、風除室の外気は館内に流入しないでしょう。風に運ばれる粉塵は館内発生の塵埃と同様、いつしか文化財の表面に摩耗や汚損を与えたり、カビや虫卵が含まれていれば生物被害につながったりもします。黄砂は大気汚染物質を吸着し、腐食や変色を起こす心配もあるのです。
 傘立てや靴底の汚れ取りマットも置かれる風除室は、外からの異物をこれでもかと食い止めているようです。風除室は、日々気づかない当たり前の積み重ねの大切さを教えてくれるようにも思えます。

※ 私たちが生活している通常の大気圧よりも高い圧力の状態

放送大学 客員教授・九州国立博物館 名誉館員・一般財団法人 環境文化創造研究所 顧問本田光子

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