イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

DAILY COLUMN

- 日替わりコラム

Tue

5/4

2021

ストレス社会を心穏やかに生きる(79)持戒波羅蜜(じかいはらみつ)

 六波羅蜜の2番目は、「持戒波羅蜜」です。持戒とは、「戒を持(たも)つ」ことで、私たちが生きていく上で、守るべき大切な生活の規律を保持することを意味します。法律も同じような意味で、仏法(ぶっぽう)(仏さまの法(おしえ))のもとに生きる上で、守るべき戒律(かいりつ)(生活の規律)がその語源です。
 子どもの頃、親や先生から「命を奪ってはいけません(不殺生(ふせっしょう)戒)」、「他人のものを盗ってはいけません(不偸盗(ふちゅうとう)戒)」、「嘘をついてはいけません(不妄語(ふもうご)戒)」など、様々なことを教わりましたが、物心のついた子どもたちに、おそらく大人が初めて教えるであろう大切な人の心が、仏法における戒律なのです。
 戒律は、守るためにあるわけですが、実は、破るためにあるとも言われます。なぜならば、私たち人間は、戒律を破らなくては生きていけない存在だからです。私たちが生きるためには、毎日、殺生や偸盗、妄語を犯さなければなりません。あらゆる生物から命をいただき、大地からは生活の基盤となる土地を借り、水や空気など自然の恩恵に与(あずか)り、人間社会の中では、それぞれの関係性を保つため、言葉を繕わなければなりません。だからこそ人間は、毎日の生活の中で「戒を持つ」ことが大切なのです。まずは、私たち大人が、これからの時代を生きる子どもたちに、恥じない生き方をしたいものです。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています

戻る

ACCESS

- アクセス

事業所

〒275-0024
千葉県習志野市茜浜1-12-3
ライフ・クリエーション・スクエア内BMSA・環文研共同研究棟1階

Google Map

本部

〒151-0051
東京都渋谷区千駄ヶ谷5-27-11
アグリスクエア新宿11階

Google Map
お問い合わせはこちら トップへ