- 日替わりコラム
Mon
5/31
2021
ミレニアル世代にはさまざまな定義がありますが、おおよそ20代から30代の人たちを指します。そのようなミレニアル世代、すなわち若い世代が、「働き方」に関してどのような意識を持っているのかを、ある研究グループが調査しました。
調査は24歳から39歳を対象に行われ、「仕事や就業環境に対してあなたが重要と思うものは何ですか」という設問で、意外な結果が導きだされました。イメージでは、ミレニアル世代は組織に従属せず、個人主義的で兼業的な働き方を好むのではという印象がありますが、実際には7割の人が「企業・組織に雇用される」ことを望み、「終身雇用」を望む人も5割近くいました。また、兼業・副業にも取り組む人は2割ほどで、「本業に集中」するが5割を超えていました。同様に、「与えられた仕事をこなす」が5割を超え、「自分で仕事をつくる」は3割に止まっています。以上のように、極めて保守的な回答に終始していることがわかります。
しかしながら、これらの調査はコロナ禍のなかで行われたものであり、社会情勢と働き方の嗜好が連動することは十分に考えられます。換言すると、社会情勢を正しい方向に向かわせなければ変革も起きない、ということを示しているものと考えられます。
東京造形大学 造形学部デザイン学科 教授地主廣明
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス