- 日替わりコラム
Thu
6/3
2021
私は以前、ある工場長を通して新入社員の皆さんに「工場内で危険と思われること」をレポートにして提出してもらうよう依頼しました。すると、「製造終了時の清掃において洗浄用のホースが散乱しており、足を引っ掛けやすく、転倒することはありませんか」、「工場内を走っている人を見かけましたが、人や機械に接触することはありませんか」、「揚げものの工程では油が床に付着しており、滑ったりしませんか」、「踏み台の足の一部が腐食していましたが、折れて転倒する可能性はありませんか」等々、10項目以上の内容が提起されました。
私は工場長に「これらは新入社員の皆さんが率直に危険だと感じたものだと思います。現場で働いているスタッフは仕事に慣れており、この程度は大丈夫だと思い、危機管理意識が少しずつ薄れてきているのではないでしょうか」と話しました。
管理職として仕事をする人は、どんなに小さなことも見逃さないという厳しい目を持って、現場で日々働くスタッフとの意識のズレを軌道修正していく必要があります。現場においてはどの箇所も100%安全を保証できるものではありませんが、まずは先輩スタッフが高い安全意識を持つことが大切です。工場長も、自分の中の「仕事の慣れ」を新入社員たちから教えられ、猛省したようでした。
教育アドバイザー星森 一
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