イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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6/11

2021

ストレス社会を心穏やかに生きる(80)忍辱波羅蜜(にんにくはらみつ)

 六波羅蜜の3番目は、「忍辱波羅蜜」です。忍辱とは、「辱(はじ)を忍(しの)ぶ」ことで、苦難や逆境に耐え、辛抱することのできる強い心を意味します。私たちの人生の大半は、この「忍辱」を学ぶためにあると言われます。誰しもが、穏やかで幸せな人生を歩むことを望むわけですが、その願いとは裏腹に、人の一生は、苦難や逆境に向き合わなければならないことの方が多いかもしれません。
 「忍辱とは強い心」だと申しましたが、そもそも人の心は、それほど強いものではありません。弱いところの方が多いからこそ、助け合いや支え合いが必要なのです。本当の意味で、強い心を持つということは、自身の弱さと真正面から向き合うことのできる、素直で正直な心を持つということなのだと思います。それこそが、「辱を忍ぶ」ことであり、苦難や逆境に耐え得るだけの心を養うことになるのだと思うのです。
 私たち人間は、苦しみを安易に受け入れることができません。苦しみを拒み、否むことは、人として当然の心情であると思います。しかし、辱を忍び、目の前にある苦しみをあるがままに受け入れること(正受(しょうじゅ))ができた時、はじめて、苦難の獄門を安楽の法門に転ずることができるのです。「忍辱」とは、苦しみに悩まされる前に、苦に飛び込むことで、幸せに転ずることのできる偉大な心の力なのだと思うのです。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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