- 日替わりコラム
Fri
7/2
2021
新型コロナウイルス感染症の飛沫感染防止対策のひとつが、換気です。新鮮な空気を取り入れて室内に空気の流れをつくることで、感染リスクを下げることができます。人の咳により空気中に放出される粒子には、5μm※1 以上の飛沫と5μm未満の飛沫核※2 がありますが、空気中に漂いやすいのは小さい粒子の飛沫核です。この飛沫核を室内に残りにくくするために、換気が有効となります。
新型コロナウイルス対策として推奨されている換気量は、1人1時間あたり30m³ 以上です。家庭の台所用換気扇をおおよそ3~4分間運転させて、対面の窓を開けたときに入れ換わる空気の量になります。換気を適切に行うと、室内の二酸化炭素濃度は建築物衛生法の空気環境基準にあたる1000ppm以下を保つことができます。
家庭での換気で心がけるのは、二方向の窓を開けて空気を入れ換える「対面換気」を行うことです。たとえば、南北、東西の窓を開けると空気の流れができて、短時間で換気をすることができます。空気の流れが良いと、1分も経たないうちに二酸化炭素濃度が約1000ppmから半減した例もあります。
対面換気は、換気扇と窓とを組み合わせて行っても十分な効果を得ることができます。
※ 1 1マイクロメートルは、0.001mm
※ 2 飛沫から水分が蒸発したもの
一般財団法人 日本環境衛生センター 技術調査役(環境衛生分野担当)中臣昌広
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