イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2021

ストレス社会を心穏やかに生きる(81)精進波羅蜜(しょうじんはらみつ)

 六波羅蜜の4番目は、「精進波羅蜜」です。精進とは、「身心を清め、行いを慎み、雑念を払って仏道修行に専心すること」で、分かりやすく言えば、「どんな事にも一生懸命に取り組み、励むこと」を意味します。
 現代用語では、「頑張る」という言葉を同じような意味合いで用いますが、仏教用語としての「頑張る」は、「我を慢(まん)じ、頑(かたく)なに張る」という、いわゆる、自己中心的な意味合いで用います。「我慢」よりも「忍辱(にんにく)」、「頑張る」よりも「精進」を仏様はおすすめになりますが、大切なことは、その言葉にこめられた心を実践することだと思うのです。
 「一生懸命」という言葉も、以前は「一所懸命」という方が一般的に用いられておりました。「一所(ひとつどころ)にとどまって、命を懸ける」という意味ですが、近年では、仕事やコミュニティの場も、一所にとどまるよりも、世界全体に向けて広がりを持たせることが求められる時代となりました。
 時代と共に社会や言葉が変容いたしますのは、時代や社会、言葉そのものが、私たちと共に生きている証です。心も本来は無限ですが、この有限世界の中では、人に向ける心でさえも、厚くすれば狭まり、広げれば薄くなるものです。だからこそ、「今」という限られた時間や人との出会いの中で紡がれる一つ一つの事に、一生懸命になって「精進」することが、今、私たちに求められている生き方なのかもしれません。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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