Kanbunken 環境文化創造研究所

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2021

夏の産卵を避けるゴキブリ

 日本には、約50種のゴキブリがいます。最も体が大きいのは西表島や石垣島に棲むヤエヤママダラゴキブリで、体長は約50mmです。最も小さいのは、おそらくサツマツチゴキブリでしょう。体長7~10mmのこの小さなゴキブリは、九州と四国そして八丈島に分布していますが、最近では千葉県でも確認されています。
 サツマツチゴキブリを一定温度(25℃)で飼育すると、1日の照明時間が12時間の短日でも16時間の長日でもなかなか成虫になりません。長日では、1年経っても一部の個体は幼虫のままです。孵化(ふか)後3か月目に短日から長日に移すと、幼虫の発育期間はさらに延長します。ところが、長日から短日に移すと、その後一斉に成虫になります。これは、休眠状態であった幼虫が日長の短縮に反応して発育を再開し、変態したと考えられます。
 つまり、このゴキブリは夏に休眠状態に入り、秋に日長が短くなると休眠から覚めて成虫になる生活史を持っているのです。晩秋に羽化する成虫は休眠せずそのまま越冬して、春に産卵します。春に産卵するのは成虫が夏に弱いからです。暑いと卵生産能力が低下します。産卵を春に行い、夏を避けるのはほかのゴキブリでも見られる現象で、幼虫期の休眠は、産卵時期を春にそろえるための適応だと考えられます。

参考文献: Zhu, D.―H. and Tanaka, S.( 2004)Physiological Entomology( 2004) 29, 78―83

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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