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9/22

2021

「歩きたくなる街路づくり」が認知症予防に有効

 国土交通省は、産官学による「まちなかウォーカブル推進プログラム」を2019年に策定しました。これは、街路に面した民有地を広場にしたり、街路自体を広場化したりすることで歩きたくなる空間を整備する取組みです。歩くことは認知症予防に効果があることが実証されており、歩きたくなる街を増やすことで認知症をはじめとするさまざまな病気への対策としても期待されます。
 東京医科歯科大学と千葉大学の研究グループは、65歳以上の高齢者約7万人を3年間追跡し、今年3月、近隣の歩道面積割合と認知症発症との関係について調査した研究結果を発表しました※ 。報告によると、歩道面積割合が低い地域に住む人は、高い地域に住む人と比べて認知症リスクが45%も高いことがわかりました。また、都会と田舎では、都会でのみ、歩道が認知症リスクと関係することも判明しました。
 歩道面積が広く歩きやすいことが認知症予防に効果的と証明されたことは、先進国の中でも歩道設置割合が特に低い日本において、今後の街づくりに大きく影響するでしょう。景観保護や防災上でも効果があり、住みやすい街づくりにもつながる街路空間の再構築が進んでいくことを望まずにはいられません。私も昔、緑が多くガードレールや電柱のない街路が好きで、駅までの経路にしていたことを思い出します。

※ 研究は、東京医科歯科大学国際健康推進医学分野の谷友香子氏らによるもの。研究成果は、医学誌「American Journal of Epidemiology」に掲載

介護問題研究家中村和彦

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