Kanbunken 環境文化創造研究所

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2021

過変態するマメハンミョウ

 ツチハンミョウの仲間は、過変態と呼ばれる少し変わった変態をします。マメハンミョウはその一種ですが、日本では北海道以外に広く分布しています。成虫はカンタリジンという毒をもっていて、私たちがそれに触れると皮膚に水疱ができます。成虫は、赤い頭部に白の縦じまの入った黒い体色をしています。幼虫はバッタ類の卵を食べます。成虫はいろいろな植物を食べて、初夏から秋にかけてバッタ類の卵鞘(らんしょう)近くに卵を産みます。彼らはバッタ類の大天敵なのです。
 8月頃に産卵して、早く孵化(ふか)した1齢幼虫はバッタの卵鞘にたどり着くのが役目です。歩行の苦手な2~4齢幼虫は、ひたすら卵を食べます。真夏に生長した幼虫は蛹(さなぎ)を経て秋に成虫になり、卵を産みます。ところが、これらの卵や9月頃に遅れて産まれた卵から孵化した幼虫は、4齢に達すると次は蛹ではなく擬蛹(ぎよう)になります。マメハンミョウは擬蛹になると休眠状態になるので、そのまま越冬します。翌春、擬蛹からは、成虫ではなく、再び幼虫が現れます。この幼虫は何も食べず、しばらくすると蛹になり、初夏に成虫になります。これを過変態と呼びます。
 擬蛹になるか蛹になるかは、日長、温度そして摂取した食物(バッタの卵)の量などに対する、複雑ですが適応的な反応によって制御されていることが、南九州大学のグループによって解明されました。

参考文献:
Shintani Y, Hirose Y, Terao M( 2011) Physiol. Entomol. 36: 14-20.
Shintani Y, Terao M, Tanaka S( 2017) Journal of Insect Physiology 99: 107-112.

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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