Kanbunken 環境文化創造研究所

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Tue

11/9

2021

疑蛹(ぎよう)から幼虫が生まれるシイタケの害虫

 シイタケなど多くのキノコ類は、私たちの食卓を豊かにしてくれます。しかし、野菜や果物と同様、大量栽培するとさまざまな害虫が発生して生産者を悩ませます。シイタケには、ガ、甲虫、ハエ類などの害虫が付くことが知られていますが、その中でタマバエ科の一種(Heteropeza pygmaea)が25年前に山口県のあるキノコ工場で採集され、種名が明らかになりました。このタマバエはもともとヨーロッパに広く分布していたのですが、今では世界中のキノコ工場などに広まっています。
 このタマバエの繁殖力は凄まじく、1頭の幼虫から1か月で200~300頭に増えます。繁殖力の秘密は、繁殖方法にありました。通常の昆虫とは異なり、体内の卵細胞が単為発生して蛹(さなぎ)生殖するのです。幼虫ステージを終えると疑蛹になり、そこからは成虫ではなく5~8頭の一齢幼虫が、疑蛹の皮膚を破って出てきます。1週間経つと、それぞれの幼虫が疑蛹になり、再び一齢幼虫が産まれるため、シイタケは大打撃を受けるのです。山口県での飼育実験に基づいて、最近、このタマバエの生態が再検討され、蛹生殖することが確認されました※ 。
 このタマバエは、幼虫期の条件次第では疑蛹にならずに蛹になって成虫が出現するようですが、今のところ効果的な防除方法は確立されていません。

※ Yukawa, J( 2021) Makunagi / Acta Dipterologia 32: 7―14.

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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