Kanbunken 環境文化創造研究所

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2022

コガネムシをだますラン植物の発見

 ボウランは、沖縄、九州、四国にみられるランのひとつです。沖縄でこのランを栽培していた人が、花が咲く時期になるとリュウキュウツヤハナムグリというコガネムシの成虫が複数飛んでくることに気づきました。初めは、花の蜜に誘われて来たのだろうと考えていました。しかし、その話を聞いた研究者たちが詳しく調べたところ、ランに集まって来たのはすべて雄だということがわかり、謎が深まりました。近くにバナナトラップを仕掛けてみると、雄も雌も捕獲されたからです。そこで、綿に花の抽出液をしみ込ませ、シダの葉の上に置いてみたところ、リュウキュウツヤハナムグリの雄成虫がたくさん集まってきました。後の研究で、ボウランの花の成分がリュウキュウツヤハナムグリの雌の放出する性フェロモンと同じ物質だということがわかりました。
 ボウランは、なんのためにリュウキュウツヤハナムグリの雄を誘引するのでしょうか。花を訪れた雄の頭部にはこのランの花粉が付いていて、その雄が別の花に移動すると、付いていた花粉が落ちて受粉を助けていました。虫をだまして、受粉させていたのです。ボウランは、花と動物間の共進化としては珍しく、「だます」だけではなく、花を訪問した雄が花を刺激すると蜜を出して、送粉者のリュウキュウツヤハナムグリにご褒美をあげていることがわかりました※1 、※2 。

※1 Arakaki N. et al.(2016) Applied Entomology & Zoology 51: 241―246.
※2 Wakamura S. et al.(2020) Chemoecology 30: 49―57.

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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