Kanbunken 環境文化創造研究所

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Wed

2/2

2022

早春に香る蝋梅(ろうばい)と梅

 薄茶色の冬景色の中、東京都三鷹市の野川公園を散策していると、目覚めのまどろみのような甘い香りにふと気づきます。周りを見渡すと、薄黄色の曇りガラスのような蝋梅の花が目に留まりました。
 蝋梅は中国原産の落葉樹で、17世紀の江戸時代に伝来しました。早生種は12月頃に、晩生種は2月にかけてやや下向き加減に咲きます。蝋梅の名は、本草綱目(ほんぞうこうもく)によれば、半透明でにぶいツヤのある花びらがまるで蝋細工のようであり、かつ臘月(ろうげつ)※ (旧暦12月)に咲くことにちなむといわれています。
 日本では晩冬、小寒(しょうかん)から立春の前日までの間の季語とされています。花言葉は、「ゆかしさ」、「慈しみ」、「先導」、「先見」です。花やつぼみから抽出した蝋梅油を、華佗膏(かだこう)の香料として使用します。
 まだ寒い早春の頃に、南風にのって薫る薄桃色の梅が咲きます。梅も中国から伝わったのですが、それがいつなのかは諸説あります。それでも、在来種のようになじんでいます。和歌には多く梅香が読まれています。梅の花言葉は、「高潔」、「忠実」、「忍耐」です。英語でも「約束を守る」、「忠実」、「美と長寿」の象徴のようです。
 香り高い両種の花言葉のように、高潔で想いやりのある人柄を敬愛します。

※1 旧年と新年をつなぐ月
※2 殺菌、かゆみ止めなどに効果がある薬

東京学芸大学 名誉教授・植物と人々の博物館 研究員木俣美樹男

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