イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

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2022

ストレス社会を心穏やかに生きる(88)耐雪梅花麗(たいせつばいかうるわし)

 2月となり、厳しい冬の寒さの中で、境内の草木花たちは、春の訪れを間近に感じながら、少しずつ、衣替えの支度を始めているようです。
 「冬来りなば、春遠からじ」と申しますが、耐え忍ぶ季節のすぐ先に成就開花の季節が必ずやって来るものです。
 天地の中に春夏秋冬の四季が廻りますように、私たちの人生においても、厳しい寒さを凌がねばならない冬の季節が幾度もやって参ります。それでも人は、苦しみや悲しみを経験する中で、暖かい春の如き楽しみや喜びのあることを、身をもって知っていきます。
 なるべくなら、辛いことは遠ざけ、幸せを近く手にしたいというのが人情というものであろうかと思いますが、冬なくしては春の到来がないように、辛さに耐え忍ぶ季節なくしては、幸せを感じ得ることのできる人心が開花されることもないのではないでしょうか。辛さと幸せの差というものは、きっと、ほんの一(ちょっと)の差なのだと思うのです。
 幕末・明治の豪傑、西郷南洲(隆盛)が遺した「耐雪梅花麗」という詩にありますように、雪に耐えて咲いた梅の花は大変美しいものです。仏教では、そんな梅の如き花の姿から「忍辱(にんにく)」ということを学びます。私も、梅花のように、逞しく美しい生き方をしてみたいと思いますし、雪そのものの美しさも味わえるような人間になりたいと思います。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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