Kanbunken 環境文化創造研究所

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Wed

2/9

2022

カマキリは積雪量を予想できるのか?

 「カマキリの雪予想」の話を知っている読者は、多いかもしれません。今から20年以上前に、カマキリが高い所に産卵すると大雪になるという話が真面目に研究され、その成果が科学論文や書物として発表されました。この話はNHKをはじめ大手新聞社などでも取り上げられ、また長年にわたって毎年、『冬を占う』という冊子で豪雪地帯の積雪量の予想値が発表されていました。
 カマキリ(オオカマキリ)は、200個前後の卵を1個の卵包として植物に産み付けます。「雪予想」では、卵包が雪に埋もれると死んでしまうので、雌カマキリは近づく冬の積雪量を予知して産卵する高さを決める、という説明がなされていました。
 しかし、カマキリが雪予想するという話は間違いだったようです。カマキリの生態を17年間研究した安藤喜一さんが最近出版した本※ によると、カマキリの卵包は雪に埋もれても、問題なく春には孵化(ふか)するそうです。これは、カマキリが産卵場所を決める際、積雪量を予測する必要などないことを物語っています。さらに、カマキリの卵包の地面からの高さは、産卵する植物の高さには影響されますが、降雪量とは無関係なことが証明されています。安藤さんは、「雪予想」が長い間信じられてきた科学的・社会的理由についても、考察されています。

※ 『カマキリに学ぶ』安藤喜一著 北隆館(2021)

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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