Kanbunken 環境文化創造研究所

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Wed

3/23

2022

オオカマキリの越冬に隠された「戦略」

 オオカマキリは、日本列島のどこでも年1世代の生活史をもちます。
 多くの昆虫は、冬前に休眠ステージに到達して越冬します。モンシロチョウは蛹(さなぎ)、ナミテントウは成虫で休眠します。休眠中は冬の寒さや乾燥への耐性が備わっているので、無事に越冬できるのです。
 オオカマキリは卵で越冬しますが、休眠しません。卵は、25℃では36日ほどで孵化(ふか)します。越冬中の卵を25℃で温めると、12~34日経過すると孵化してきます。これは産卵時期に応じて、さまざまな胚※1 ステージで越冬しているからです。不思議なことに、秋や冬直前に孵化してしまうカマキリは見られません。では成虫は、どのように産卵時期を調節しているのでしょうか。
 最近の研究※2 により、オオカマキリの成虫が日長を読み取って産卵開始時期を調節していることがわかりました。日長が長い夏の間は、カマキリの性成熟が遅れるため、産卵が早く始まって冬前に孵化する事態にはならないのです。一方、日長が短くなる秋には性成熟が速やかに進行するので、遅れて羽化した成虫も冬前に産卵を始めることができます。
 さまざまな胚ステージで越冬するカマキリの卵は、卵包によって越冬後の孵化時期が大きく異なりますが、それは捕食者カマキリの幼虫間での獲物の奪い合いや共食いを避けるのに、おおいに役立っているのです。

※1 昆虫は孵化前に、卵殻内で胚として少しずつ成長する
※2 『カマキリに学ぶ』安藤喜一著 北隆館(2021)

元農林水産省 蚕糸・昆虫農業技術研究所 研究室長田中誠二

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