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2022

食品衛生に取り組むあなたへ(24)「因果系列の重なり合い」から事故を予防する

 「偶然」を広辞苑で引くと、その説明のひとつに「ある方向に進む因果系列に対して、別の因果系列が交錯して生ずる出来事」とあります。
 私たちのHACCPの取組みにおいて、「偶然の事故が起こりやすいところ」はどこなのかを考えてみることは興味深いことです。たとえば、カレーやシチューなどの煮込み料理を大量に調理している業態の場合には、ウェルシュ菌食中毒に注意が必要です。ウェルシュ菌は、大量に調理した料理が20〜50℃程度の温度帯になったときに増殖しやすくなってしまいますので、調理後は放置せず小分けにして速やかに冷却することが基本的な予防策です。
 このような場面で偶然の事故が起こりそうな「因果系列」のひとつめは、人間が行うことですから、時には小分けも冷却も忘れて、そのまま帰宅してしまい、ウェルシュ菌の増殖が進んでしまうことです。
 そこに交錯するもうひとつの「因果系列」は、次の朝、その出しっぱなしになっている料理を見つけても味や香りに異常がなければ菌の増殖に気づくことはできませんし、たとえ知識を持っていたとしても、廃棄すると実損が生じるのでためらいが生まれるということです。
 「因果系列が重なり合って起きうる事故」という視点で事前にイメージし、対策をとることで、事故を予防することができます。

リテールHACCP研究所山森純子

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