- 日替わりコラム
Mon
5/9
2022
ある日の深夜、消費者が持ち帰り用の弁当を購入し、食べようとした時に米飯の中のネジに気づき、早速、販売店に連絡しました。後日、店舗本部の担当者が異物確認と謝罪のために消費者宅に赴き、事情を説明しました。しかし、世間への事実の公表を強く求める消費者は店舗側の対応に納得できなかったため、弁当容器と異物のネジを保健所に送り届け出ました。
異物は長さ約20mmの金属製ネジで、ネジ目の部分にはサビが認められました。当該店舗の器具や設備を確認したところ、炊飯釜の取っ手部分のネジが一本欠落しており、異物のネジと合致しました。ネジがどのように弁当の中に混入したかの詳しい経緯はわかりませんでしたが、当該店舗では、調理器具類の破損にかかわる日常点検は行われておらず、従業員はネジが外れていたことにも気がついていない状態でした。
調理機械・器具に使用されるネジは、緩みによる脱落、腐食や金属疲労による破損などにより食品への混入異物となるだけでなく、部品が欠落した調理機械・器具の使用は労災事故の原因になることもあります。脱落部品のない器具類の採用や、破損・脱落しやすい部分のマーキングと日々の確実な点検など、各職場環境に合わせた事故発生防止策が必要です。
公益社団法人 日本食品衛生協会 技術参与・一般社団法人 関東学校給食サービス協会 顧問谷口力夫
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