- 日替わりコラム
Wed
5/18
2022
認知症の人が社会から孤立せず、仕事もできる環境を作り上げようとしている街があります。東京・町田市にある「DAYS BLG!」というデイサービスでは、利用者の多くが認知症の症状がありながら、仕事をしています。洗車作業や領収書の整理、ポスティングなど、希望者は自分でやりたい仕事を選ぶことができます。ポスティングではスタッフの助けを借りながら、地域の情報誌を一軒一軒、自分の手で投函しています。
月に一度、参加したメンバーに謝礼金が支払われますが、お金をもらうことで社会とのつながりを実感でき、生きがいを感じられるといいます。この仕組みを作ったのはNPO「町田市つながりの開」理事長の前田隆行さんで、「DAYS BLG!」の代表でもあります。前田さんは、以前から認知症の人たちが社会から疎外される状況をなんとかしたいと考え、地域の企業をこつこつ訪ね歩いて協力を依頼してきました。今では、15の企業や団体から仕事を任されるようになりました。
また、町田市内では、認知症の人が安心できる居場所づくりを目指した「D」の文字をたくさん目にすることができます。市内の書店には「Dブックス」コーナー、店舗や企業内には「Dトイレ」、さらに「スターバックスコーヒー」の「Dカフェ」は、定期的に認知症の人や家族、地域住民が交流できる場となっています。
介護問題研究家中村和彦
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