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7/19

2022

ストレス社会を心穏やかに生きる(93)命のふるさと

 私たち人間は、人種や国籍、その時代にかかわらず、誰しもが父母との命縁(みょうえん)を得て、この娑婆(しゃば)世界にやって来ております。
 「子は親を選べない」とよく言われますが、実のところは、子の方が自ら親を選んでやって来るそうです。どんな人であろうと、母胎を通らずしてこの世界に来られるものはおりませんし、「おぎゃあ(阿)、おぎゃあ(阿)」と産声をあげずして、誕生できるものもおりません。
 かつて、弘法大師(こうぼうだいし) 空海阿闍梨(くうかいあじゃり)は、命の歌として、
「阿字の子が 阿字の古里 立ち出でて また立ち帰る 阿字の古里」
(あじのこが あじのふるさと たちいでで またたちかえる あじのふるさと)
 という短歌を遺されました。
 「阿字の子」とは、大日如来という仏の命の子、つまりは、私たちのことを言っております。私たちは、今、この世に生きて、やがてあの世に往くものと思っておりますが、実は、「阿字の古里」という仏の古里の方が、もともと私たちの「命のふるさと」なのです。
 私たちは皆、「阿字の産声」をもって、この世界に生まれて来ております。赤ちゃんが、純真無垢なる仏の命に近く、仏の言葉である真言(しんごん)を使えますのも、仏の世界からやって来たばかりだからです。いかに様々な生き方があろうとも、命の上で、私たちの古里は同じです。その仏の里の恵みに生かされていることに心から感謝したいと思います。

合掌

下野薬師寺別院 舎那殿壇 龍興寺 副住職阿波建多

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