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9/26
2022
認知症の人の「希望をかなえるヘルプカード」の利用が、厚生労働省の研究事業で進められています※ 。カードに認知症の本人が望んでいることや、周りの人にちょっと手助けしてほしいことを書いて協力を得るものです。カードがあることで、一人で安心して外出を楽しめるようになったり、スーパーや銀行などでの支払いや手続きを自分できるようになり、自立と自信を取り戻したという多くの成功体験が生まれています。
認知症になってからやりたいことや外出を制限され、閉塞的な日々を送っている人たちが多くいます。しかし、軽度の認知症の人は運動機能にあまり問題がないため、少しのアドバイスがあれば自分でできることは多いのです。「希望をかなえるヘルプカード」が普及することで、自由に生きる可能性が高まるとともに、周囲の認知症に対する意識や考え方も変わっていくことが期待されています。
今年5月より同カードの周知と利用促進が開始され、大きな注目が集まっています。というのも、これまでも主に障害のある方が同様のカードを利用していますが、認知症の方への活用や普及はほとんどなされていませんでした。認知症の本人専用に作られた「希望をかなえるヘルプカード」はこうした課題を踏まえ、「認知症の人が実際に利用したいと思えるもの」という視点からの開発となりました。
※ 国が進める認知症施策推進大綱に則り、認知症介護研究・研修センターが調査研究を行っている
(令和3 年度厚生労働省―老人保健健康増進等事業)
介護福祉士中村和彦
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