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2023

素晴らしき生きものたち(4)我が家の前が「鮭の産卵地」

 我が家は富山湾の河口から20kmほどの中流域にあり、家の前を幅5mほどの岸渡(がんど)川が流れています。晩秋になると、鮭が遡上(そじょう)して我が家の前で産卵するのです。岸渡川はここから4km下流で小矢部(おやべ)川に合流します。本流の小矢部川は、越中国守として赴任した大伴家持(おおとものやかもち)が『万葉集』によく取り上げた川。この小矢部川には、昔から鮭が遡上していました。一時期めっきり減りましたが、少しずつ戻ってきました。10年ぐらい前でしょうか、驚くことに支流の岸渡川を遡り、我が家の前で数匹の産卵を確認しました。それから毎年、鮭が遡上するようになりました。
 岸渡川は湧水が出る川で、産卵に適した砂利の川床が随所にあります。水深は30cmぐらいなので、居ながらにして産卵光景が見られるのです。家の前には、鮭たちのお気に入りの産卵場所が数か所あります。メスは川底を掘り産卵床を作るのに、オスはほかのオスを追い払うのに大忙し。昨年は、30匹ほどを見ることができました。晩秋は川を覗きこむのが朝の日課で、「今日は〇匹見たよ」がご近所との会話となります。
 近年、夏の終わりに水害が起きそうな豪雨がよく降ります。岸渡川は藻が多く生え、川床環境も複雑に変わる川ですが、大雨による濁流が藻を流し、川床面を均一な砂利で平らにならします。これが鮭の産卵に、実に具合がいいようです。毎年多くの鮭が戻ってきてほしいものです。

富山市ファミリーパーク 名誉園長・元日本動物園水族館協会 会長山本茂行

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