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Thu

4/20

2023

切手になった海の生きもの「プランクトン」

 4月20日は郵政記念日で、明治4年に郵便制度が始まったことを記念して定められました。現在は7月に変わりましたが、以前は記念日にあわせて全日本切手展も行われていました。
 国内外の海の生きものが絵柄になっている切手の中には、その国の食習慣や自然観が感じられるものもあります。たとえば、海に暮らすコぺポーダが描かれたポルトガルの切手があります。コペポーダはエビなどの甲殻類の仲間で、大きさ0.1~数ミリのプランクトンです。ギリシャ語でコぺは船を漕ぐ「櫂(かい)」を表し、ポーダは脚を表す接続形で、和名ではカイアシ類と呼ばれています。
 このプランクトンは広く大量に分布し、多くの稚魚、成魚の重要な食料となっています。そのため、コペポーダは「海の米」とも呼ばれています。欧州ではニシンがよく食されますが、ニシンは生涯を通してコペポーダを食料としているため、コぺポーダ繁殖の好不調がそのままニシンの好不漁に結びつきます。このことはポーランドでは広く知られているようで、切手の右側にはニシンが描かれ、左側のコペポーダを食べている様子が描かれています。コペポーダはイワシ、サンマ、サケ、サクラエビの食料でもあり、日本人にとっても重要な生きものです。他国の自然観を知ることで、海の生きものたちへの理解も深まります。

参考文献:『エビとカニの博物誌―世界の切手になった甲殻類』大森 信著 築地書館

古田優

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