- 日替わりコラム
Tue
5/30
2023
日本は世界で2番目の卵消費国で、1人当たりの年間消費量は約340個、工場や家庭から出る「卵の殻」は年間26万tともいわれています。しかし、その大半はゴミとして捨てられるため、環境問題の観点から、この卵の殻を再利用しようと取り組んでいる企業があります。
たとえば、樹脂に卵の殻を混ぜた素材で作った家具、木材パルプに卵の殻を混ぜて作った紙、100%卵の殻でできたグラウンド用の白線、卵の殻の内側についている卵殻膜に繊維の原料を混ぜて作った糸などが開発されています。また、多くのアミノ酸やコラーゲン、ヒアルロン酸が含まれ美容効果があるため、卵殻膜を配合した化粧品も販売されています。ほかにも、卵の殻のカルシウムは胃液で溶けやすく消化吸収に優れているため、食品としても利用されています。
卵の殻は、家庭でも再利用できます。細かく砕いた卵の殻をコンロや鍋の汚れに付けて擦れば研磨剤として使え、洗濯物を卵の殻と一緒に煮洗いすると黄ばみが落ちます。植物の根元に細かく砕いた卵の殻をまけば、ナメクジやカタツムリなどの害虫対策にも効果があるといわれ、糠床に卵の殻を入れれば酸化を抑え味がまろやかになるそうです。
少しの工夫で、ゴミは資源に生まれ変わります。皆さんも試してみてはいかがでしょう。
ライター東納英輔
全部または一部を無断で複写複製することは、著作権法上での例外を除き、禁じられています
- アクセス