イカリホールディングス株式会社 よりそい、つよく、ささえる。/環文研(Kanbunken)

DAILY COLUMN

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Thu

6/1

2023

人と犬と猫がともに暮らすこと(6)猫の認知症

 高齢になり、以前は嫌いで近づかなかった人の膝に乗るようになった猫がいました。今まで避けられていた飼い主の家族は、「ぼけたのかもしれないけれど、ほっとした」と喜んでいました。しかし、その猫が突然大声で哭(な)くようになったのです。そばに好きな人がいても存在を無視し、誰かを探しているかのように大声で哭き叫び続け、部屋の中をうろうろ歩き回ります。これは猫の認知症の症状のひとつで、一旦哭き始めると哭き止むまでに時間がかかります。
 犬の夜哭きと異なるところは、猫の場合は昼夜関係なく哭くことです。見当識障害と意識障害のために哭いていると思われますが、犬と同じように「睡眠障害」があるかどうかはわかりません。犬の夜哭きと同様、米糠から抽出したフェルラ酸物質を与えたところ、大声で哭くことが止みましたが、避けていた人にも再び近づかなくなりました。見当識障害が改善したのでしょう。しかし、飼い主の気持ちはちょっと複雑です。
 高齢猫では、排泄の失敗をした場合に認知症を疑うこともありますが、トイレ箱を跨(また)げないために箱の外に排泄することもあります。
 猫の認知機能障害の症状をみつけることは難しいですが、猫に声をかけ、反応をみることから始めましょう。猫は、耳や指やシッポを動かして返事をします。

井本動物病院 院長井本史夫

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